図書館の神様

図書館の神様

2021年7月24日

「図書館の神様」瀬尾まいこ

昨日は、昨年秋に受けた人間ドッグの再診日。朝から飲まず食わずで自転車飛ばして病院行って、血は抜かれるわ、お腹は機械でぐりぐりされるわ、なんでこんな目に合わされなきゃなんないの、の日でして。しかも、待たされる。だから、お供の本はじっくり選ばなくちゃいけません。いらいらせずに、もっと待たされてもいいわ、みたいな本を。

これは正解でした。もっと待たされてもいいわー、なんて思っていたら、一冊、読みきっちゃって、おいおい、早く呼べよ!と、一気に機嫌の悪くなる私。人間が出来てません、と診断されそうだわ。

正しいこと。正義。真実が好きな主人公が、いい加減になって、だらだらと正しくない自分になって生きている状態があって。でも、正しいって体に悪いんだよね、なんて言ってくれる優しいやさしい弟がいて。そのままでいいんだと抱きとめてくれる恋人もいて。でも、違うんだよね。

主人公は、高校教師です。体育系なのに、文藝部の顧問になっちゃって、たった一人の部員(これが、なかなかナイスな少年で、おばさんは、惚れちゃうよ!)と図書館で退屈な時間を過ごすんですね。時間しのぎに読んでみた川端康成に爆笑しちゃう感性は、結構好き、私も。

自分が好きじゃなきゃ、人も好きになれないし、自分を許せなくっちゃ、人も許せないんだよね。って事に、気がつくお話。これも哲学だわー、なんてちょっと哲学づいた私は思うのでした。

2008/1/23