大人は、かく戦えり

大人は、かく戦えり

2021年7月24日

シス・カンパニー 大竹しのぶ 段田安則 秋山菜津子 高橋克実

シアタードラマシティで、「大人は、かく戦えり」を夫と観て来ました。
小さめの舞台で、九列目。
ちょっと右よりなので、どうかなーと思ったけど、違和感無く全体を見渡せる良い席でした。

11歳の息子を持つ二組の両親が、息子同士の喧嘩の後始末のために集まって、最初は穏やかに会話しているのですが、だんだんに本音が出てきて・・・。
最後は、子供のことなんてどうでも良くなっていくんですな。

教養深くて穏やかに見せているしのぶちゃん、温厚な段田さん、仕事しか眼中に無くて、話し合いの途中でも携帯電話で仕事を続ける高橋さん、その夫にイラつきながら、良い母であろうとしている秋山さん。
でも、そんなの、ぜーんぶ、仮面なんですね。
夫婦間の齟齬、それぞれの価値観がずれあって、ののしりあったり意気投合したり、吐いたり殴ったり飲んだりつぶれたり。
母の前では良い息子、娘の前では優しい母。
でありながら、奥底にあるいろんな感情が、どんどん暴露されていきます。

最初は、動きも少なければ人数も四人だけ、静かな芝居で、どうなるんだこれから、と不安に思っていたのだけど、いや、動く動く、しゃべるしゃべる。
感情の振り幅も大きい大きい。
引きずり込まれました。

これ、同じ脚本でも、下手な役者がやったら、ひとつも面白くない芝居です。
さすがだなー、このキャスト。
笑い転げました。

やっぱり生の舞台はいいなあ。
今、ここにいる人間にしか与えられないもの、それが生の舞台。
これこそが、贅沢というものだ。

2011/2/16