スットコランド日記

2021年7月24日

「スットコランド日記 深煎り」宮田珠己 本の雑誌社

夫が、図書館で借りてきた。

「ヘー、借りたんだ」
と言ったら、
「だって、買うほどじゃないって言ったじゃないか。」
と、少々不満そうな夫。
ごめんよ。
だけど、いい本を全部買ってたら、我が家がどうなるか、知ってるじゃないか。
ってか、読んでから、やっぱり買えば良かった、って本なら他にも山ほどあるじゃないか。
でも、これを読んで、やっぱり買えばよかったかな、なんてくよくよしてしまった。

宮田珠己はいい。
好きだ、大好きだ。
なんて、青春時代みたいなこと言って赤くならなくてもいいけど、この人はいいぞぉ。
ナイーブで、自分を見つめる目が鋭いのに、おちゃらけていて、どこまでもいい加減で、だのに、きびしい。
タイプだわ。

人の日記を読むなんて、最低です、といったのは板尾創路だけど、日記を読むと、その人となりがありありと分かって、好きか嫌いか、すぐわかっちゃう。

この日記では、タマキングは俳句に走っていて、それがあんまり面白くて、何度読んでも笑っちゃう。
角川春樹にも褒められたんだってさ。

息子のサッカーを見に行って、最初は息子しか目に入らなかったのに、なんども行くうちに、他の子どもたちも、我が子のように可愛く感じるようになって、ということは、応援しているお母さんたちがみんな自分の妻みたいなもので、一夫多妻制に突入したようだが、そう言えば、周囲のお母さんたちが自分を見る目が、まるで妻が私を見るような見下した視線であることに気づいた・・・なんて話を覚えている。

もう一人私の好きな高野秀行は、作品の中でいつもタマキングを褒め、タマキングは高野秀行を褒める。互いに、相手を羨ましがっている。私に言わせりゃ、どっちも羨ましいぜ!!

2011/3/29