決めないことに決めた 

決めないことに決めた 

2021年7月24日

「決めないことに決めたつれづれノート16」銀色夏生 角川文庫19

香山リカさんが薦めていた。それで読んでみたのだけれど、実はシリーズになっている日記の16巻目なのね。

銀色夏生さんって名前は目にしたことがあったけれど、読んだのは初めて。人気あるらしいな・・と思いながら、ご縁がなくて、これまで来ました。で、いきなり16巻目だから、分かってる人には分かっているだろうことが、分からないまま読むことになったわけ。

銀色夏生さんは文筆業のシングルマザーで、子どもは、さくという男の子(小4)とかーかという女の子(高1)の二人。
どうやら、東京と宮崎の両方に家を持っていて、宮崎は実家に近く、東京に学校に子どもたちは通っている。それも、途中で東京に転校したらしく。

さく君は、東京の学校に馴染めなくて、宮崎に戻ったほうがいいんじゃないかと作者は考えていて、でも、かーかは東京に住みたい。で、さくを宮崎に置いて、かーかは東京で、作者が、行ったり来たりする、という案を考える・・・のだけれど。

日記というくらいだから、特に盛り上がりもなく毎日の様子が書かれていて、でも、こう言うのをだらだら読むのは、私、案外好きだったりする。自分が日記書くのが好きだからねー。この人と、私、同じかも。と思ったりして。

それにしても、びっくりするくらい、子どものことを何でも書いてしまっていて、ほんとうに大丈夫なんだろうか、と心配になる。写真まで載ってるし。しかも、子どもたち、自分たちの日常が本にされていることを知っていて、それを読んで楽しんだりしている。いいのか?

その昔、椎名誠の息子、岳くんは、シーナが岳物語を書いたせいでひどい目にあった、という話を読んだけれど、そして、それはそうだろうなあ、とつくづく思ったものだけれど。

それでいて、銀色さんは、自分の抱える問題については、「あること」とか「悩んでいる問題がある」とか、抽象的に書くだけで、具体的には書かない。なんだそれ。子どもはいいのか、子どもは?

しかも、自分の子の悪口も満載なので、さらに驚く。かーかがいないとすっきりする、とか、付き合いきれない、とか、早く結婚して家を出ないかとか、一緒ににいなくて済むので助かるとか。もちろん、一方ではいいところもたくさん書いてはあるんだけど、こんなにあけすけに書いて、本当にいいのか?と、読んでて何度も思った。

これは、フィクションなのか?
写真も、借り物なのか?

高校を留年しそうなのに、のんびりして全く勉強しないかーかも心配だし、学校で友達に「いや」が言えない、自分の意見が言えなくて「どっちでもいい」ばっかりのさく君も心配。そういう子だから、仕方ない、といいながら、結構なお金をバッサバッサと与える銀色さんのやり方も、心配。
・・・・なんて思いながら読む私は、おばさんなんだろうなあ。このシリーズをずっと読んできた人は、全然違う読み方をするのかなあ。

と言いつつ、最後まで読んてしまって、これから、かーかはどうなるのか、気になって気になって、次の巻も読もうかなあ、と思ってしまった。
ああ、これって銀色夏生さんの魅力ってこと?

M-1を見て、感想を言ったり、サバンナの高橋を、上品だと言ったり、お笑いの好きなところは、私と同じだわ・・・・。

2011/4/22