モテキ

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2021年7月24日

22~26

「モテキ 1~4.5」久保ミツロウ 講談社

「久保みねヒャダこじらせナイト」が結構、好きで見ていた。久保ミツロウについては「笑っていいとも」の最後のあたりに熱烈なタモリファンとしても登場したので、女性なのに男性名で漫画を描いている人、として知っていた。テレビで見る限りにおいて、瞬発力の強い、賢い人であるという印象が強い。絵も、漫画家だから当たり前だろうけど、上手な人だなあと思っていた。

久保ミツロウっていいよね、と思いながら、実は彼女の作品を一つも知らない、ということに気づいて、図書館本がすべて枯渇したこの時期に代表作を読んでみることにした。結果、テレビ番組のタイトル通り、かなり「こじらせ」ているなあ、という感想であった。

この作品は、モテない女性の感情を男性に投影して漫画にしたら共感を得られるか、というスタンスで描かれたらしい。内向的、内省的、自信がなく、ちょっとでもトラブルが起きたらそこから全力で逃げる、いつまでも他者に心を開けない主人公が、誰でも人生に一度は訪れるという「モテ期」に出会ってどう振る舞ったか、という漫画なのだが。

もう少し若かったら、共感を持って、うん、わかるわかる、私だけじゃないのね、みたいな読み方もした・・・やもしれないのだが、今となっては、めんどくせえなあ、こじらせてるなあ、としか思えなくなっている。感性の鈍化したおばさんの感想しか湧いてこない。そんなに自分を守ってどうするの、守るほどのいったい何を持ってるというの、と思ってしまう。

興味深いのは、周囲の異性との関わり、あるいは異性との関わりを通じての同性との関わりに傷ついたり不安がったり怯えたりする主人公が、親子関係にはなんの屈託もなく、葛藤も確執もなく、ただ穏やかにそこに居る、自分を受け入れる存在としてしか捉えていないということである。そうか。それが若いってことか。それとも、「今」ってことか。などとおばちゃんは考え込むのである。まあ、親子関係に苦痛がないっていいことよねえ、とは思うけどね。

映画化されているというけど、映画はまた違うのかな、とちょっと興味はある私である。

ところで。Twitterやってないし、こんなところに書いてどうなるものでもないのだけれど、一応、意思表示をしておく。

#検察庁法改正案に抗議します。

2020/5/11