きのうの神さま

きのうの神さま

2021年7月24日

「きのうの神さま」西川美和 ポプラ社

何の先入観もなく、ただ、図書館の「本日返って来た本」コーナーで見かけて、パラパラめくったら、手に吸い付いたので、借りてきた。
これが、とても良かったのだ。
静かに胸にしみる良い短編小説集だった。

医師の登場する短編が五つ。
そのうちの一つの題が「ディア・ドクター」だったので、なんだか聞いたことがある・・と思ったら、そうか同じ題名の映画があった。
笑福亭鶴瓶が主演した映画。
あの映画の脚本、監督をした人だったのね。

調べてみたら、この本も、直木賞候補に上がったらしい。
うんうん、貰ってもおかしくない。すばらしい。

かっこいい医師、技術の優れた医師、ドクターコトーみたいに人の心をつかむ医師とかじゃなくて、何だかしょぼくれていて、怪しげで、娑婆っけもあるけど、人間味のある、背中に人生がある医師が出てくる。生きてる感じがする。

映画監督なのか。
小説家としてもすごいのになあ。
そう言えば、「ゆれる」もこの人だ。
見てみたいと思ってたんだっけ。
よし、見なくちゃ。

2011/3/24