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「主婦と演芸」清水ミチコ 幻冬舎
「TVブロス」連載「私のテレビ日記」2006年から2012年までの記事をまとめたもの。
清水ミチコはデビューして間もない頃から知っている。すぐに結婚、妊娠しちゃって、あら、どうするのかな、と思ってたら、割に早い時期に復帰して、以降、着々と活動している。
デビュー当時にマルセ太郎さんと共演して、何故か駅まで一緒に歩いた時のエピソードがいい。これからどうするつもりだ、と聞かれて、結婚して主婦になると思う、と答えたら「夢をあきらめちゃいけねえ」とか「芸人の世界をなめてんじゃねえよ」と言われるかと思ったら、意外な展開になったという。
「さあ、もうやめよう、と思ってやめられるもんなんかじゃないからサ。舞台に立つっていう快楽はあんた、そりゃすごいもんなんだ。やめられなくて仕方なくなるよ。ギャラなんかちっともいらなくなるんだ。それを覚悟の上で、出た方がいい」でした。すごいお言葉をいただいたものです。 (引用は「主婦と演芸」清水ミチコより)
結構長い期間の連載が載せられているので、最初の方ではまだ忌野清志郎や児玉清が生きていたりして、切ない。マルセ太郎さんにも、まさにすごい教えを頂いているのだなあ、と感嘆する。
この他にも、フジコ・ヘミングの自由すぎる発言とか、美智子妃に芸をお見せして「同じお名前ですね」と言われたり、興味深いエピソードが載っている。
清水ミチコって、自然体の人だな、と思っていたが、文章もそのまんまだった。
2014/5/14