カールじいさんの空飛ぶ家

カールじいさんの空飛ぶ家

2021年7月24日

見てきました、映画。おちびと一緒に。
良かったです。
追加料金払って、3Dで見たのに、あんまり飛び出してなかったな、という不満はありましたが。

カールじいさんの少年時代。
エリーという元気な魅力的な女の子と出会って、同じ夢を追いかけて、結婚して、子どもを夢見て、でも不妊で、だけど二人で仲良く暮らして、夢を叶える前に、エリーは亡くなってしまう。
そこまでを、カールじいさんが全然しゃべらずに描いている。
でも、全部、伝わってしまう。
どんなにエリーが素敵な女性だったか、どんなに二人が愛し合っていたか。そして、どんなにエリーが亡くなって、カールじいさんは悲しく、虚しかったか。

この最初のエピソードだけで、私はもう、胸がいっぱいになってしまった。泣いちゃったよ。

でも、そこから物語は始まる。
ラッセルという、やかましくて、ちょっとカッコ悪い、だけど、ほんとに子どもらしい、生き生きとした坊主と一緒に。

ラッセルはむちゃくちゃおしゃべり。

「いいか、これからゲームをしよう。どっちが長く何もしゃべらずにいられるかだ。長く黙っていられた方が勝ちだ。」
「いいよ、ママもそのゲーム好きなんだ」

ラッセルは怖がらない、心配しない。
いいなあ。こういう子ども、大好き。
カールじいさんは、杖をついて、補聴器をつけている。
補聴器は、時々ガーガーピイピイいう。
でも、冒険できちゃう。

新しい冒険が始まる。
生きてる者は、前を見ていくんだな。
思い出は、思い出。

そんな展開は、若い頃よりもずっとずうっと心に染みるようになってる。
ってことにも、気づいてしまう。

誰かをものすごく愛したり大事だと思ったりする経験は、人を深くするんだな、と思う。
だけどそれと同時に。

エリーの死よりも、新しい冒険に夢中になってゲラゲラ笑っている隣のおちびを見て、若いっていいなあ、とも思う。
この映画は、老いも若きも一緒に見たら、もっと膨らむのかもしれないね。

2010/1/8