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「屋上の君」瀬川藤子 講談社
「お嫁さんは神様です。」が良かったので、娘が買ってきた本。これは、少し整理がついていない感じもあるけれど、作者の思いはちゃんと伝わる漫画だ。
そもそも私も娘も転校生という経験が多くて、寂しいとかうまく馴染めないとかいう感覚はよく知っている。そんな小学生が、屋上に不思議な友達を見つけるという展開は、私にも娘にもすんなりと受け入れられるものなのかもしれない。
校長先生とこの不思議な友達との関係性は意外なものであったし、決着の付け方にもう少し説明というか整理があっても良かったのだけれど、納得出来ないかと問われればそんなことはない。
きっとこの作者も天候経験があって、切ない思いをしたのだろうなあ、と思ったりする。
つらい思いをした人、寂しい人、悲しい人に、ただ同情を寄せるのではなく、ちゃんと認めて気持ちを向けて一人の人間として受け入れるということがどんなに大切か、ということをもう一度考える、そんな漫画だった。
2013/12/19