我が家の問題

我が家の問題

2021年7月24日

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「我が家の問題」 奥田英朗 集英社

いつ予約したんだったっけ。ずいぶん待たされたので、なんで予約したのか忘れちゃった。次のお待ちの人がいるのでお早めに・・・という言葉とともに、借りてきました。

我が家の、というか、これは、夫婦の物語ですな。六編の短編が入っています。

結婚を夢見る若い人たちに言いたい。結婚って好きな人とまいにちいっしょに要られる夢のような風習だと思ったら、大間違いよ。違う文化を背負った二人が、異文化をすりあわせながら、新しい文化を創造していく大事業なのよ。自分だけが正しいと思っていたら、絶対成し遂げられない大イベントなのよ。
なんちゃって。おばちゃんの、戯言ですが。

互いに相手を思いやっても、それがうまく伝わらないとか、言いたいことが上手く言えないとか、すれ違ってしまうとか、夫婦の間には、よくあること。そういう、よくあることが、上手に小説に仕立ててあります。子どもの側からの視点もあって、見事だなあ、と感心します。

だけど、とても暖かくて、優しいんだよね。優しすぎて、いやさ、現実はこうは行かんだろ、とも思うわけです。これ読んで、ますます結婚に幻想をいだいちゃったりしたら、大変よ。

2012/9/14