翔んで埼玉

翔んで埼玉

2021年7月24日

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「翔んで埼玉」魔夜峰央 宝島社

 

しばらく休んでいたマンガ読みを再開すると、歯止めが聞かない。もう金輪際マンガ本は買うまい、電子書籍でと心に誓っていたくせに、本屋でフラフラとこれを買ってしまった私。ごめんよぉぉぉ!
 
前回ブログでも書いた「伊集院光とらじおと」のゲストに魔夜峰央が来て、映画「翔んで埼玉」の話をしていた。30年も前の、それも中途半端に終わってしまったこのマンガを映画にしたい、と考えた監督も監督だが、それに乗る主演のGACKTもすごい、とか。この映画はGACKTありきであり、彼なしではこれは成立しなかった、とか。GACKTはもはやCG的存在であり、実際僕も何度かお会いしたが、あれは生きた人間じゃなかった、ほぼCGだった、とか。コンプライアンスのうるさいこの世の中で差別を映画にするなど不可能としか思えないが、ここまでくればもう、誰もなにも言えない、とか。この映画を池袋で見たが、六本木でもう一回見たい、なぜなら池袋は埼玉県人率が高すぎるので、反応の違いを知りたい、とか。実は映画はアメリカやイタリアでも配給されて、受けるわけがないと思ったが、大受けであった、なぜなら例えばオハイオはアメリカの埼玉みたいなもんで、イタリアもローマ以外の街は結構な埼玉であって・・・とか。話を聞いているうちに、映画が見たくてたまらなくなったが、とりあえず本を、と思ってしまったのだ。(ちなみに、映画は私の在住県ではかなり遠方でほそぼそと夕方一回の上映のため、まだ未見である。)
 
実際読んでみたら、なるほど、ここまで描くか!と言うほどの埼玉ディスりっぷりで、(生まれて初めて「ディスる」という言葉を使った!)もう笑うほかない。さらに、茨城県が、その下の最下層県として描かれているのにも笑った(私の父のルーツは茨城である)。これはもう、下げを装った愛の告白でさえある。
 
パタリロを夢中になって読んだ時期もあったが、未だに連載を続けているのね。魔夜峰央の息の長さにはびっくりだ。かなり若い頃から描いていたらしく、思ったほどにはお年寄りでもないみたいだし。これからも、末永くお元気で漫画を描き続けていただきたい。
 
 

2019/4/30