天盆

天盆

2021年7月24日

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「天盆」王城夕紀 中央公論社

 

夫が面白いと薦めてきた本。将棋の話だよ、というので一瞬躊躇したが、将棋なんて全然知らなくても楽しめる。一気に読んでしまった。
 
天盆というのは、将棋のような盤面ゲームだ。蓋という国を動かすのは、天盆に長けたもの。若者は塾で天盆を学び、大人は賭け天盆に興じる。
 
血の繋がらない十三人の兄弟が暮らす貧しい食堂。その末っ子である凡天は天盆に天賦の才を持っていた。様々な困難を乗り越え、次男の助けを借りて、天盆の学習を積み、誰にも負けない実力をつけていく。最後に望む試合は・・・・。
 
登場する人物一人ひとりが魅力的だ。そして、いきいきと動いている。蓋という国の風が感じられるような描写力だ。
 
まだ新人だというのに、こんな面白い物語を書けるなんて末恐ろしい。この人の次の作品が読みたい。

2014/11/11