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「月の部屋で会いましょう」レイ・ヴクサヴィッチ 東京創元社
SF短篇集。何作か読んだことがあると思ったら、どうやら岸本佐知子が訳したアンソロジー「居心地の悪い部屋」に収録されていた分らしい。あの人は変な小説を集めてくるのが上手だからなあ。
これをずっと読んでると、頭がおかしくなってくる。発想がぶっ飛んでいるし、絶対に予定調和では終わらない。え？そこ？と思うようなところへ着地する。
たとえば、第一作目「僕らが天王星につくころ」。すっかり流行病になった原因不明の皮膚病は、皮膚が宇宙服に変わり、やがて宇宙に飛び立ってしまうというものだ。片方がこの病に冒されたカップルが、どのようにして、一緒に居続けるかを画策する話。徐々に出来上がっていく宇宙服の描写が真に迫って恐ろしかった。
一気に読むと、メンタルが弱りそうなので、読むならゆっくり読んだほうがいいかも。面白いといえば、そうとう面白い本ではあるのだけれど。
2014/11/25