股間若衆

2021年7月24日

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        「股間若衆 男の裸は芸術か」木下直之 新潮社

うーむ。この人は、どこまで真面目なのか、どこまでふざけているのか、それともその境目がないのか。

男性の裸の彫刻の股間にひたすら焦点を当てて、一冊の本にしてしまったのでありました。それも、「曖昧模っ糊り」なんて造語もあって、笑ってしまう。何でここまで・・と思いながら読んでいたら、三島由紀夫や伊藤文學が登場して、おお、これはもしかして・・・と思ったのでありました。

この本を読むと、三島由紀夫って、切腹マニアの変態だわ。(関係者の方々、ごめんなさい。)公衆の面前で、若い裸体の男性が手に手を取り合って堂々と立っているのって、彫刻にしか許されていないのね・・・。薔薇族の人々にとって、それは夢の様なシチュエーション。

なんだか、本の趣旨と違うところへ違うところへと私は誘われてしまったのかもしれないし、もしかしたら、それこそが趣旨なのかもしれないし。うーん、わからん。

2013/1/5