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「脳には妙なクセがある」 池谷裕二 扶桑社
すご～く、面白い本でした。示唆に富んだことがたくさん書かれている。凄いなあ、と思ってパタン、と本を閉じたら、あらら、もう中身をあんまり覚えていない私。それって、私の記憶力がなくなったってこと？もうボケたのかしら。
なんて話したら、夫曰く、たしかにおもしろいんだけれど、脳にはこんなコトもある、あんなコトもあると知識は書かれているのだけれど、どのように疑問を持って、どんなふうに研究して、どんなやり方でそれがわかったのかという経過がないんだよね。やっぱり、ものごとには、そこに行き着く経過があるわけで、その道をたどることで理解したり覚えたりするものだと思う。だから、この本は面白いのだけれど、結果的には、O型の人は蚊に刺されやすい、みたいな本になっちゃってるのかもしれない、と。
そうなんだよね。池谷先生ご自身も書いてらっしゃる。執筆にあまり時間をさくと、もっと研究しろと周りの人から叱られるし、僕自身も、もっと研究したいと思ってる。だから、どうしても、軽いエッセイのようなものを書いて、それを再編成することになる、と。
池谷先生、ご本業の研究に邁進していただきたいから、私も文句は申しません。それに、詳しく研究の経過を説明されても、私にも、理解できる能力がないかもしれません。だから、いいんです。
でも、もう少し、突っ込んだら面白くなるのかもな・・と思うと、もったいない。そこんとこ、間を取り持つような達筆のライターさんがいたら、どんなにいいだろう、と思ってしまいます。
ここに書かれている「ジレンマゲーム」は面白かったです。さあ、自分がこのゲームの当事者になったら、どうする？で、しばらく会話が弾むはず。皆さんも、是非、読んで、ご検討下さい。
2012/10/27