「研究室」に行ってみた。

「研究室」に行ってみた。

2021年7月24日

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「「研究室」に行ってみた。」川端裕人ちくまプリマー新書

科学や技術に関する方面への関心が強い作者が、月に一回、研究者にインタビューをして研究の内容やエピソード、なぜその道に進んだのかなどを整理したウェブ上の記事の中から6人の研究者を選んで本にまとめたものである。

登場するのは、「バッタを倒しにアフリカへ」の前野ウルド浩太郎、宇宙旅行を実現しようとしている高橋有希、生物に学んだロボットを作る飯田史也、地球に存在しない新元素を創りだす森田浩介、宇宙エレベーターを作ろうとしている石川洋二、すべての学問を地理学につなげる堀信行の六人である。

前野ウルド浩太郎氏がアフリカでどんなに頑張っているか、はご本人の著作で知っていたが、実際の研究内容はこの本で初めて知ることができて、興味深かった。他の研究者の元素の話とか、専門的な科学の話は難しくてよくわからない部分も多々あった。が、研究者って、興味のあることに、こんなにのめり込んでいるのだ、とか、こんな風に発想して行くんだ、ということがわかったのは面白かった。何の役に立つのかわからない研究に、もしかしたら明日には無一文になるかもしれないのにのめり込んでいく姿は、ああ、うちの息子に重なって、がんばれよ~、としか言えなくなる。

宇宙エレベーターは、もしかしたら実現するかもしれないし、それはとっても面白いことだと思うけれど、私は乗りたくないなあ、と思う。高いところが嫌いだからね。宇宙って別に行かなくていいし。と、地面にへばりついて思う私なのである。

2017/10/31