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「あおいめくろいめちゃいろのめ」かこさとし 偕成社
切り紙の挿絵がたのしい。あおいめのまりーちゃん、くろいめのたろうくん、ちゃいろのめのばぶちゃん。眼の色、肌の色が違ってもなかよく遊んだけれど、最後はハチに刺されて大泣きして、みんな赤い目になっちゃいましたとさ。
それぞれの子どもたちが、ただ可愛いだけじゃなくて、わがままだったりもするけれど、それも互いに受け入れあって、新しい遊びを考えだす。完璧なハッピーエンドじゃなくて、蜂に刺されるというアクシデントにも襲われるけど、みんな同じに泣いちゃって、赤い目になっちゃった、というのもどこか示唆的で、きらいじゃない。
かこさんの本は音読してみるとわかるのだけど、リズム感がよくて、聞いていて耳に心地いい。この人は、子どもとちゃんと触れ合って、確かめながら絵本を作っているのだなあ、と思う。
2015/11/19