いくつになっても

いくつになっても

2021年7月24日

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「いくつになってもトシヨリ生活の楽しみ」中野翠  文藝春秋

中野翠つながりで借りてきた。きれいな本だな、と思ったら南伸坊の装丁。毛糸の蛸は、南伸坊のお母様の手芸作品で、本文の中にその作品展の話も登場する。

森茉莉、沢村汀子、ジュリーにショーケン、長沢節など老人の先輩たちの話やおすすめの老人映画、バアサンのファッションに老後の楽しみ、そして最後まで一人を楽しむ話が載っている。といっても、内容は、今までの中野さんの本の中に書かれていたことの繰り返しが多いかも。「八月の鯨」という映画は、中野さんのおすすめで見たんだったっけな、なんて思い出したりした。私が二年かけて通読した「もういちど読む山川世界史」が登場したのには笑った。みんな同じようなことを考えるんだなあ。

老後の生活は、私にとって、もはや将来の話ではない。喫緊の課題である。森茉莉なんて大変なおばあさんだと思っていたが、週刊誌に連載を始めた年齢を見たら、アララ、私と変わらないじゃないの、と驚いてしまった。私も楽しい、後悔のない老後を目指さねば。
それにしても中野さん、ついに七十歳なのね・・・。私も歳を取るわけだ。

2021/1/25