もういちど読む山川世界史

もういちど読む山川世界史

2021年7月24日

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「もう一度読む山川世界史」山川出版 「世界の歴史」編集委員会

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「詳説世界史B 」木村靖二 佐藤次高 岸本美緒 山川出版

ついにこの日がきた。と言ったら大袈裟だろうか。「もういちど読む山川世界史」を買ったのは、数年前のこと。読もう読もうと思いながらなし得なかったことを、ついにやり遂げた!!

大学入試は日本史で受けた。世界史も確かに高校で習わなかったわけではないが、高3になってからの履修だったので、受験科目の日本史に精を出して、世界史はその場しのぎの勉強しかしていなかった。日本史は好きなのに、世界史はからっきし。歴史の話をしても、日本のその時代、世界では何が起きてたかがすっからかん。キリシア神話は好きだし、シェイクスピアは多少知ってるし、ベルばらのお陰でアントワネットも知り合いだ。聖書もだいたい読んでるし、アラビアンナイトも好き。だけど、それぞれがどのあたりの時代のことなのか、前後関係はどうなっているのか、なんだかいい加減なままだった。すっきりしなかった。

いつかちゃんと世界史を勉強せねば、と思いながらこの歳になってしまった。数年前、「もういちど読む山川世界史」を見つけて、おお、これこそ私の求めていた本、と思ったのだが、通読するには根性が足りなかった。置きっぱなしで読まない本になった。

が!!下の子が、高校で世界史を始める時が来た。歴史なんて全く興味が持てん、つまらん、なんでやらねばなんないんじゃ、と怒っているので、では、お母さんに教えておくれ、と頼んだ。最初の頃は・・・・ローマ時代くらいまでは、食事時間に講義をしてくれた。が、そのうち、部活は忙しくなるし、親に構っていられっかよ、になって、講義は頓挫。でも、なんとか少しずつ学習をすすめることにした。

まず、「もういちど読む山川世界史」で一つの単元を読む。それから、娘の教科書「詳説世界史B」を続けて読む。そして、ノートにまとめる。ときどき、娘の学校のノート(教科書よりずっと詳しい!!)や資料集を借りて、足りないところを補う。たまに、娘のワークを借りて、問題を説いてみる。娘の定期テストの問題も借りてやってみては、娘に惨敗する・・・。そんなことを繰り返して一年半ほど。やっと、オバマまでたどりついた。(当然ながら、トランプが当選するなんて悲劇は載っていない。)終わったぞ~!!

とは言え、覚えた端から忘れていくのが悲しいかな、中年の性である。と言っても、なんとなく流れはわかった。そしてね、そうなると、例えば美術館に行っても、博物館に行っても、映画やテレビで歴史モノを見ても、「おお、これはあの時代ではないか」となんとなく背景がわかって、世界がぐっと身近に迫ってくる。これはもう、驚くほど違うのである。高校時代にもっとちゃんと勉強していたら、こういう感覚が、若い頃から味わえたのだろうなあ、と嘆息するが、まあ、間に合ってよかったと思うしかないだろう。

終わったぞ~、とうっかり娘に言ったら、では、センター試験も受けてね、と言われてしまった。これからセンターの問題にも取り組まねばならんが、もう、大抵のことは忘れているぞ。半分も取れんぞ。いいのだ、それでも。

2017/1/26