おどりのすきなとら

おどりのすきなとら

2021年7月24日

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「おどりのすきなとら」松谷みよ子作 井上洋介絵 太平出版社

六年生の読み聞かせに検討した本。結局、「みるなのくら」を選本して、なかなか良い反応だった。・・・というのは、また別の話として。

朝鮮のある山には、とらがいっぱいいる。きのつよいとら、なきむしとら、かんしゃくとら・・・。おどりがだいすきなとらもいたし、たいしょうとらは人間の肉がだいすきだった。

そこが恐ろしいとらのすみかだと知らない少年きこりがやってきて、木を切り出し、トラに襲われる。高い木の上に逃げる少年。木に登れないとらたちは、とらの上にとら、そのまた上にとら、と「とらばしご」を組む。このまま死ぬのか、と思った少年は木の枝を切って笛を作り、ふきならした。そのねいろにがまんならなくなったおどりのすきなとらは、とらばしごの一番下から抜け出ておどりだし、とらばしごは崩れ去り、少年は助かった・・・・。

きこりが ひとり やってきました
まだ 子どもです。うまそうです。
              (引用は「おどりのすきなとら」より)

少年木こりがとらに見つかった場面は、こどもたち、ぎょっとするにちがいない。「うまそうです」は怖いよなあ。

とらばしごを組むシーンは三場面に別れ、最後は絵本を縦に使う。高さを表現したのだろうけれど、もっと横長の絵本だったら更に強調できただろうに、と思う。

笛の音色が歌になっているのだが、ここをいかに読むかが読み聞かせの成否の分かれ目だ・・・と思うと、怖くて読めなかった私である。誰か上手な人、読んでくれないかしら。

2016/2/24