おんなの窓6

おんなの窓6

2021年7月24日

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「おんなの窓6」伊藤理佐 文藝春秋

 

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 
さて、新年一冊目は伊藤理佐さんです。「おんなの窓」は週刊文春のひとコマ漫画に短い文がついた連載が中心。それに、オール読物の「妙齢おねいさん道」が幾つか収録されています。
 
かつて雑誌が輝いていた時代、私は驚くほどたくさんの雑誌を購読していました。漫画誌を幾つかに、週刊朝日、週刊文春、噂の真相、本の雑誌、話の特集・・・・・。でも、今は図書館に行くついでに雑誌コーナーで何冊かをざざっと読み飛ばす程度です。週刊文春と週刊新潮は人気なので、雑誌棚にない場合も多く、だから、「おんなの窓」も全連載の半分以下しか読んでいません。その分、単行本で読むと新鮮味が・・・と思うのだけど、今ひとつ迫力にかけるのは、やっぱりお子さんが小学生になっちゃって、子育ての醍醐味が減ってきたせいかもしれません。その分、「妙齢おねいさん道」が、やけに身に迫ってくる感じが恐ろしい。
 
一番身にしみたのは、ああ、新年から何という話題かしら、七〇~八〇代のおねいさん方が、楽しそうに笑いさざめきながら、尿もれについて語っていたエピソードだったりして。これから行く道を、しみじみと教えていただいた気がして、笑うというより噛み締めてしまいました・・・。
 
昨年は「老いる」という現実と嫌というほど向き合わねばならない年でした。具体的には、年老いた父のこれからをどうするか、という問題が大きくのしかかっては来ていたのですが、それに対処しようとするこちらのキャパも一杯一杯で、精神的にも肉体的にも、以前ほどには強くない自分に気付かされたものです。とともに、父ばかり心配していても、四歳下の母もまた、共に老いているわけでもありますし。昨年末ぎりぎりに、とりあえず父の生活基盤はどうにか良い形を取ることができましたが、まだたくさんの問題が残っています。今年はそれらにも取り組みつつ、我が身の老いに備えて、今できることを、できるうちにやっていこうと思っております。
 
今年も頑張りましょうね。

 

 

2018/1/4