お父さん、だいじょうぶ?日記

お父さん、だいじょうぶ?日記

2021年7月24日

18

「お父さん、だいじょうぶ?日記」加瀬健太郎 リトル・モア

子どもはかわいい。本当に、かわいい。生まれた時、新生児室の中でうちの子だけがピカピカ光り輝いていた。少し大きくなっても、集団の中で、うちの子だけがいつも光っていて、どこにいてもすぐ見つけられた。そう、そんなときもあったなあ。

この本の作者は写真家で、あんまり仕事が無いので、毎日のように子供の写真を取ってブログに載せていた。そうしたら、本にしましょう、と言われて本になった。

子どもたちは、かわいい。写真を撮っている作者が、どんなにかわいいと思っているかもちゃんと伝わってくる。

子どもがひっついてきたり、「パパ大スキ!」とか言われたりすると、「もしかして、うちの子、世界で一番かわいいんとちゃうか?」と思ったりしてしまう。そんな時、いつも思い出すのは、僕が高校生の時に友人が、当時付き合ってたそんなに可愛くない彼女のことを、「俺の彼女な、宮沢りえよりかわいいんちゃうかと思うねん」と真顔で言ってきた時のこと。     

 (引用は「お父さん、だいじょうぶ?日記」より)

親なんて、みんな親ばかで、子どもに目がくらんでいる。いいんだ、いいんだ、それでいいんだ、と思う。子どもの可愛さは、親の生きる気力になる、エネルギーになる。その余力で、大人になっても彼らを大事に思い続けている。それでいい。

作者は、あんまり仕事はないけれど、子どもたちとは本気で全力で付き合っている。どんなに仕事をしていても、育児を奥さんに丸投げして「お前は家で子どもたちと遊んでいるだけだからいいよな」とかいう男なんかよりは百倍いい。そりゃ、仕事もちゃんとしたほうがいいのかもしれんけどさ。

2018/5/19