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「くろちゃんとツマと私」南伸坊 東京書籍
南伸坊の生活に根差したエッセイ集。この人の文章はほのぼのと温かくのんびりしていてお人柄が伝わってくる。奥さんと非常に仲良しなのもほほえましい。
思えば南伸坊との出会いは「ハリガミ考現学」だった。もう三十年以上前の本だ。鮮烈に面白かったなあ。この本にも、「ハリガミ考現学」時代のことが書かれていて、懐かしかった。当時はネタ探しに相当苦労していたのね。
赤瀬川源平さんとか、安西水丸さんとか、もう亡くなってしまった人たちが登場して、ちょっと物寂しくもなる。安藤忠雄とか、和田誠とか、まだお元気な人たちもいて良かったけど。安藤忠雄はものすごく早食いなんで、一緒に焼き肉を食べると大変なんだそうだ。そんな感じするなー。
パンダの名前を考えるのが面白かった。カンカン、ランラン、トントン、みたいな名前がお約束らしいけど、カアカア、ワンワンじゃ別の動物になっちゃうし、インイン、メツメツはちょっと憂鬱だし、ネチネチ、クドクドもよろしくない。ヨボヨボ、ヘロヘロもまずいし、ムチムチ、ムンムン、ピチピチもちょっと…。ホクホク、トロントロン、ベロンベロン、グデングデンもねえ。と、カンカン、ガクガクなのであった。
2018/9/13