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「くんちゃんはおおいそがし」
ドロシー・マリノ さく まさき るりこ やく ペンギン社
こぐまのくんちゃんは、あさ、「なんにもすることないや」といいます。
朝ごはんの用意を手伝ったり、絵を描いたりしてみますが、たいくつして、おかあさんに、「こんどは なにをしてあそんだらいい?」とたずねます。
お母さんは忙しいので、自分で考えなさい、と言われて、仕方なく外へ出ていったくんちゃん。
こいしをけったり、松かさをけったり、きぎれをけったりしているうちに、川にきぎれを浮かべ、石と土で家を作り、くるみを拾い、おちばで山を作り、たんけんかになります。
お昼になって、昼ごはんを大あわてで食べているくんちゃんに、おとうさんが「なにをそんなにいそいでいるんだい?」ときくと、「はやくいかなくっちゃ。だってきょうはぼく おおいそがしなの」ですって。
秋の絵本です。
これを読んでいて、私はおちびが小さかった頃を思い出しました。
おちびも、よく退屈して、何したらいい?と聞いたものです。
そりゃあ、多少は付き合ってもやりますが、こちらにも、いろいろ用がある。
一人で何とかしなさい、とほうっておくと、いつの間にか、色んなことを始めるのが子どもです。
おちびは、色紙やクレヨンや牛乳パックを使って、不思議なものを創りだすのが好きな子でした。
いつの間にか、夢中になって、たくさんの作品を作り出していたものです。
あれは、豊かな時間だった、とj振り返って、今でも思います。
くんちゃんも、一人で退屈していて、自分の世界を見つけたんですね。
子どもにとって、こういう時間を過ごした経験は、きっと体の中にたまってきれいな宝物になっているだろう、と私は思います。
それにしても、ああ、どれを読んだらいいでしょう。
おはなし会は、もうすぐです。
2011/10/22