だから、何。

だから、何。

2021年7月24日

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「だから、何。」中野翠 毎日新聞出版

「ズレてる、私?!」に続くコラム集。2018年10月から2019年10月までサンデー毎日に連載したコラムをまとめたもの。毎年読んでるんだけど、時々読み遅れる。もう、2020年分が出版されてるはずだものね。読むと、2018年から2019年が遠くに感じるので驚く。なんたって、コロナの影もないからね。

コロナの影はないが、トランプは影ならぬ実態がある。毎日新聞に連載されている「中畑龍万能川柳」に採用された、福岡の朝川渡さんの作品「大衆にわりと好かれる独裁者」をとりあげて「そうだよねえ」と頷いているのに共感した。

 自分で考えたくない。誰かに決めてもらいたい。指図さえしてくれたら、それはちゃんとこなすから・・・。とにかく責任を負わされるのはイヤだから・・・。
 という「子分肌」。日本という国自体が世界的に見れば、そうだしね。
(中略)
アメリカのトランプ人気は、案外、「子分肌」の人たちに支えられているところがあると思う。人間って理屈抜きに「強いもの」に惹きつけられるのだ。その「強さ」の内実がどうであっても、コマカイことは無視。ほとんど生理的に惹きつけられる。生存本能?「寄らば大樹の陰」的な?
                     (引用は「だから、何。」中野翠 より)

なんて書いてあって、ああ、その二年後、こんな事になっちゃうのよ~、と声を上げたくなった私。とんでもない奴だったわね。たしかに親分に乗せられちゃう子分肌の人が結構いたし。

この次のコラム集も予約してある。そこにはついにコロナが登場するのだろうな。ああ、マスクなしに外出できた頃が懐かしい。

2021/1/21