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「とにかくうちに帰ります」津村記久子 新潮社
私はこの作者を知らない。で、どんな人かな～、と軽い気持ちでWikipediaを調べたら、あらら、芥川賞作家なのね。私ってば、モノ知らず。ひどい。
そうだったのか。そうだよなあ。文章、すごいもの。なんでもない日常を書いているのに、ぐいぐい引っ張ることといったらすごい。どんどん引きこまれちゃう。ありがちな出来事と、微妙な気持ちの変化の説得力ったらない。アルゼンチンのフィギュアスケートの選手の話を読んでいるうちに、フィギュアが見たくなっちゃったわ。んで、最後の、とにかくうちに帰るだけの話、本当にとにかく帰るだけなのに、ドキドキしちゃったし、ワクワクしちゃったし、最後はしんみりしちゃったし。これは、すごい。
この人の作品、もっと読まなくちゃ、と思いましたです、はい。
2013/3/15