キッドの運命

キッドの運命

2021年7月24日

80

「キッドの運命」中島京子 集英社

立て続けに、中島京子。去年の年末に出された本。なんと近未来小説でした。

二度目の原発事故のあとの物語。どうやら、日本という国は消滅してしまっているらしい。日本語を話す最後の人間が死んでしまったりするからね。カラスが喋ったり、桃太郎が登場したりもする。静かなおとぎ話のように見えて、奥底には怖いものが潜んでいる。

そうか。そうだよね。二度目の原発事故がいつ起こるかなんてわからないのに。老人ばっかりの政府なんか作るのに必死で、こんな危ない橋をずっと渡り続けているんだね、私達日本人は。最後の日本語が消えてしまう未来が待っているかもしれないんだな。と思ったね、私。

2020/9/16