クロストーク

クロストーク

2021年7月24日

53

「クロストーク」コニー・ウイリス 早川書房

 

携帯電話とかスマホとかタブレットとかラインとかメールとか、いろんな連絡の取り方があって、人はしょっちゅう情報をやり取りしている。だけど、いちいち機械を取り出して指でピコピコするのってめんどくさい。だから、音声入力とかも発展してるのだろうけれど。
 
この物語の中では、脳にチップを埋め込んで、もう、携帯電話なんかなくとも感情的に愛する人と直でつながっちゃうということが可能になる。そういう脳外科手術が登場する。そりゃ便利だ、と思う?逆に怖くない?なんて思っているうちに、それどころじゃない、今度はその回線が、混線・・・と言うか、彼氏とは別の人とつながっちゃったり、人混みの中に入ると、あらゆる思考が頭の中になだれ込んできて、大変なことになっていく。怖いよー。みんなの思考、ダダ漏れ。
 
そんなに常に人と繋がり合いたいかね、とつくづく思う。いまだにガラケーで生きている私。ガラケーサービスはあと二年位で終わっちゃうらしいので、そしたら嫌でもスマホにするけどさ。どこにいても、誰とでも常に繋がれます、って本当に理想?誰ともつながらない場所で、ひっそり過ごしたいことってないの?みんな。
 
この本は、たしかに面白かったけど、物語自体が情報過多で、途中で疲れちゃって、読むのに時間がかかった。もともと分厚い本なんだけどさ。もう少しスッキリまとめられませんかね、と思うのは、ガラケーユーザーだからこその心性なのかしらね。

2019/6/25