グーグーだって猫である6

2021年7月24日

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「グーグーだって猫である6」大島弓子 角川書店

ごめん。私は猫を飼ったことがないし、猫になんの思い入れもない。「綿の国星」は大好きだったし、その後のサバのシリーズも好きだった。グーグーだって、最初は結構熱心に読んでたのよ。でも、五巻では、もうついていけないな、と思ってた。思ってたのに、最終巻と聞いて買ってしまった。いやね、ほんとに迷ったのよ。本屋をグルグル歩きまわって逡巡したわ。我が家の本棚は、既に完全末期状態、一冊だって買ってはいけないはず。(と言いつつ、じわじわとなぜか増える。)

案の定、ついていくのは大変でした。グーグーはほとんど出てこない、最後以外は。もう、外猫たちのお世話の話でいっぱい。大島さんが実際にこうやって日々を過ごされているのだとしたら、それは、すごく大変だろうと思うし、猫の立場からしたら、頭が下がる思いでいっぱいではあるけれど、残念ながら、私は猫派じゃないし、その気持ちはよくわからない。私の知らない趣味の世界を生きている人の話を聞いているだけのような。

あの頃のような、心をきゅっと掴まれる、胸が切なくなる、糸をすうっと引っ張られたような、あんな漫画はもう描かないんだろうか。大島さんの心は、もう、猫の方へ行ってしまって、戻っては来ないんだろうか。

人は年をとる。そして、その人らしい最後へ向かっていく。大島さんの方向は、そちらでしたか。私は、ちょっと違う方向へ向かって行くから。それは、もうどうしようもないことだけど。今までありがとう、としか言い様がない。

大島さん。
好きでした。

2011/10/4