シャレのち曇り

シャレのち曇り

2021年7月24日

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「シャレのち曇り」立川談四楼 PHP文芸文庫

 

立川談志の弟子の本は、談笑の「赤めだか」とか志らくの「談志のことば」とか、結構読んでいる。談志ってすごい人だったんだなあと思っている。この一門は文章を書ける人が多い。立川談四楼も、もちろん立派な文章家である。
 
立川談志が落語協会を脱退して立川流を旗揚げしたのは、もう遠い昔の話になってしまった。その頃の立川一門の内情が描かれている。円丈の「ご乱心!」も読んだことがあって、立場が違うと見方も違うものだと改めて思う。
 
だが、本書はそういう内輪暴露モノにとどまらず、落語家を目指す青年の成長物語、青春物語としても楽しめる。文章にリズムがあって、ことばがぽんぽん弾んで、小気味よく読める。面白かった。
 
 

2016/11/27