トリセツ・カラダ

トリセツ・カラダ

2021年7月24日

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「トリセツ・カラダ カラダ地図を描こう」海堂尊 絵・ヨシタケシンスケ 宝島社

「マドンナ・ヴェルデ」以来の海堂尊さんだ。五年ぶりだなあ。

手術でカラダをあけた時、どんなふうに臓器が並んでいるか、絵に描ける?という問から始まるこの本。まず最初に、知っている内臓の名前を全部書いて、それから、空っぽの体の絵の中に、臓器がどんなふうに並んでいるかを描いていく。

これが、難しいんだな。海堂さんが朝日新聞のオーサービジットに参加して中学生に授業をした時、中学生に描かせたら、まともに描ける子はほとんどいなかった。その後、二時間授業をしてからもう一度描いてもらったら、みんなが描くカラダ地図は殆どが立派なものになったという。

それから、試しに東大で授業をした時に、同じ様にカラダ地図を描いてもらったら、中学生が描いたものとほとんど同じだったという。日本のトップレベルの学生たちも、やっぱり描けないカラダ地図。自分自身の体がどうなっているのか、自分で知らないのは、知らないということすら知らないからだろう、と海道さんは思ったという。自分の体のことすら知らないことは、医療への無関心につながる。いざという時、何も知らないのではいけない。体の中を知ることは、きっと私達を助けてくれる。

というわけで、本書が出来たのだという。なるほどね。私も読み終えたらカラダ地図が大分まともに描けるようになった気がする。この頃は、あちこちにガタが来て、数値が悪かったり、実際に痛みがあったりするから、どこがどうなっているか、を知っておくことは、とても大事だと思う。

中学生くらいでこれを読んでおくと、きっといいよ。おすすめ。

2020/10/10