コヨーテ・ソング きれいな水のつめたい流れ

コヨーテ・ソング きれいな水のつめたい流れ

2021年7月24日

「コヨーテ・ソングCoyote Song 伊藤比呂美 スイッチ・パブリッシング 21

図書館の小説のコーナーで見つけたのだけれど、これは、どっちかっていうと詩集なんじゃないかなあ。ま、物語でもあるからいいのかな。
「少年少女シートン動物記」から始まって、アメリカ先住民の口承詩の物語へと流れていく。ちょっと滑稽で、不思議なエロチシズムもあって、根底には、いつもの伊藤比呂美さんがいて。

伊藤比呂美さんの詩を読むと、体温と同じ温度の水に浸かっているみたいに、体からじわじわと、いろんなものが外へ広がって溶けていってしまう。
伊藤さんの詩、好きだ。

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「きれいな水の冷たい流れつれづれノート17銀色夏生 角川文庫22

も読んだ。「決めないことに決めた」の続編。銀色さんの長女のカーカちゃんが気になって読んだ。どうなったかわかったから、もう読まなくていいや。

これだけ、ただの日記が巻を重ねているのは、楽しみに読んでいる読者がたくさんいるということだろうけれど、やっぱり日記は日記だから、書いている人への何らかの思い入れがないと、読んでいて続かない。私が「板尾日記」をずっと読みたいと思うのは、板尾さんがどんな人かわかって、それが好きだからなのかもしれない。銀色さんには、そういうものを私は持っていないから、続かないんだろうな、と思った。

そう思いながら、ちょっとひやりとしたのは、私がこうやって読書記録をだらだらと書いているのだって、つまらない、続かないと思う人がいるということだ。読んで、面白くて、何かを得た話をするのはいいけれど、あまり得るところもなかった本の話をだらだら書いても、読む方もつまんないよなー、と反省した。でも、記録はしたいし。ちょっとジレンマだ。

2011/4/25