111
「リストラ離婚 妻が・夫を・捨てたわけ」池内ひろ美 集英社文庫
離婚は珍しくない。私の周囲にも、離婚してせいせいした人たちが何人かいる。一方で、離婚したいしたいと呟きながら、何年たってもそのままの人もいる。
この本は24歳で結婚、32歳で一女を連れて離婚した作者が、離婚を考えている人の相談に答えたPart1と、自分の離婚の経緯を語ったPart2に分かれている。
Part1の回答は、きっぱりとしてなかなか男前である。さすが自分も乗り越えてきただけのことはある、と惚れ惚れするような答えっぷりである。ところが、Part2を読むと、案外、よれよれである。夫に暴力を振るわれても、逃げ出すこともできないで、困惑し、おろついていたりする。
そういうことだよなあ、と思う。他人ごとと自分のことは、やっぱり違うのだ。自分一人で乗り越えていくのは、だれだって大変なのだ。
安易に離婚を勧めたりしちゃいけないのかもしれないなあ、と読み終えて思ってしまった。本人がそれを乗り越える強い意志を持たない限り、離婚なんてできっこないわ。今度彼女にあったら、そう話してみよう。
2014/10/23