九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

2021年7月24日

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「九十歳。何がめでたい」佐藤愛子 小学館

 
図書館で予約したら、大人気であった。相当、待たされてやっとのことで手に入ったが、特にお変わりはなく、九十歳になっても、佐藤愛子さんは佐藤愛子さんであった。
 
その昔、私が若かりし頃、「non-no」という雑誌に佐藤愛子さんは連載を持っていらした。私はそれの愛読者であった。愛子さんは、その当時から、気に入らないものは気に入らないと怒り、思い通りにならないものには思い通りにならないと吠えて(!)いらした。その真っ直ぐさ、譲らなさが私は好きだった。
 
年をとったからと言って、人はそれほど丸くならないものである。相変わらず怒ってらっしゃる。が、犬に汁かけ飯を与えたおかげで早死したのではないか、などと後悔を書かれる程度に自省もされている。と思ったら、霊能者から、あの世でその犬がまた愛子さん特製のグチャグチャしたご飯を食べたがっていると聞いてホッとしたりしているのである。
 
今度はまた別の雑誌での連載であったらしい。だが、その連載も、ひとまず休止となったようで。あまりご無理なさらず、どうかお元気で長生きなさっていただきたい。当時のお仲間は、みんな死んじゃったものね。

2017/7/30