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「今朝の春」
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「小夜しぐれ」 高田郁 角川春樹事務所
「みをつくし料理帖」の四巻と五巻。つる家の料理人、お澪が料理を通していろいろな人と関わっていく。若くて誠実な医師、源斉は澪が気になっており、伊勢屋のお嬢さんのお美緒はその源斉が好きで、澪は年の離れた武家の小松原を慕っている・・・。こんがらがった恋物語に、澪の母替わりのお芳の息子探しや、声のでない太一、血の通わない母おりょうの切ない物語もあって、読ませる、読ませる。
出てくる料理も、特に変わったものでもないのに、なんとも美味しそうで、これを読んだあとに粕汁を作っちゃったわ。菜の花ごはんや浅蜊のお神酒蒸しもいいなあ・・・。
淡々としていながら胸が切なくなる、いい物語です。
2012/3/9