検事の本懐

検事の本懐

2021年7月24日

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「検事の本懐」 柚月裕子 宝島社

よれよれのスーツを着て、ぐしゃぐしゃの髪をした、喫煙をする若い検事、佐方をめぐる物語。彼は、出世を望まず、賞賛を拒み、ただ、正しくあることを検事の本懐とする人間である。彼が、どんな仕事をするのか、なぜ、彼はそんな人間になったのかが、いくつかの事件を経て、徐々に明らかになる。彼の父親を巡る謎までが、最後には明かされる。

最近の警察モノは、こんなのばっかりなのかなあ。一見普通そうな、でもすごく立派な人間が、目立たないけれど素晴らしい仕事をしている、みたいな物語が多いんだねえ、と、この本を薦めた夫にいった。

つまり、そういう本ばかり、最近は読んでるってことだな、と夫は答えた。
そうか。これが流行りってわけじゃないのか。

それにしても、本物の検事が、これくらい尊敬に値する人たちだったら、いいんだけどねえ・・・。

2012/4/3