日本国憲法を口語訳してみたら

2021年7月24日

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「日本国憲法を口語訳してみたら」塚田薫 長峰信彦 幻冬舎

 

本屋で見つけて、あ、おもしろそう、と言ったら、それ知ってるよ、とおちびに言われた。最初、大学生がネットで書いていて、それが本になったんだって、と。ちょうど公民で憲法の勉強をしているから買ってやろうかと言ったら、買ってもいいけど、一回読んだらそれっきりになると思うと言われたので、図書館にリクエストした。意外に人気があるらしく、三ヶ月以上も待たされた。
 
憲法ってとっつきにくい、とハナから放り投げている中学生がいたら、これを読ませてやるといい。わかりやすいし、憲法の基本的な精神はちゃんと伝わると思う。例えば、こんな感じ。
 
第11条 俺たち国民は、ちゃんと一人の個人として生きていけるんだよ。これはずっと続いて、俺たちのガキとか、そのまたガキとか、すべての国民が持つ永久の権利だよ。これがいわゆる基本的人権ってやつね。
 
第12条 この憲法で決めた国民の権利や自由は、俺たち国民ががんばってきっちり守っていくぜ。でも、権利があるからって横着すんなよ。
 
第14条 俺たちはみんな平等だよ。人種とか考え方とか性別とか身分や出身地だったり、そういう自分でどうしようもできないことなんかで差別する法律や政治は、絶対に認めないよ。
2項 貴族とか華族なんかの制度は認めないからな。
3項 いいことやったヤツはほめるけど、それはお前が偉いってことじゃなくて、お前がいいことやったからで、自慢していいのはお前だけだよ。子どもとか関係ないからな。
 
                (「日本国憲法を口語訳してみたら」より引用)
 
後半部分には、憲法に関するコラムが5つ載っている。ここにはかなり率直な意見が載っていて、興味深かった。最近よく言われる生活保護費の不正受給は予算額の0.39%なんだそうだ。さらにいうと、国家予算の3.1%が生活保護費に使われている。この数字をどう受け止めるか、読んだ人一人一人によく考えてほしい。

2013/10/21