冬虫夏草

冬虫夏草

2021年7月24日

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「冬虫夏草」梨木香歩 新潮社

 

「家守綺譚」の続編。「家守綺譚」は面白かったなー。この本も面白いけど、あっちの勝ちかも。
 
100年くらい昔の物書きが主人公だ。ムジナがお坊さんに化けて説法をしたり、イワナの夫婦が宿を経営したり、人格者(?)の飼い犬が行方不明になったので、探して旅をしたり、かっぱの少年に出会ったり。
 
不思議な世界が広がるのに、全然違和感がない。静かな落ち着いた世界にゆったりと入り込んでしまう。
 
いずれいくつかの村が水の底に沈むのだ、というような描写があって、これは先々のダムのことを書きたかったのか、と思う。西洋の火の竜、サマランドラの話は、原発だろうか。思わずいろんなことを書いてしまっているのかなあ。

2014/4/11