台湾一周!安食堂の旅

2021年7月24日

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「台湾一周!安食堂の旅」光瀬憲子 双葉文庫

 

夏休みの旅行計画をたてる段階で、最有力候補に残っていたのが台湾である。美味しい中華を食べて歩く、というのは実に魅力的なプランだったのだが、暑そう、お腹を壊しそう、と不安になって却下。結果的には北の島を選んで大正解ではあったのだが。
 
子どもが独立すれば、夏休みにこだわらずに旅ができるから、秋とか冬とか涼しい時期に台湾に行こうねー、などと言い合う夫婦である。この本の作者は、台湾に在住して現地の人と結婚していたこともあるくらいだから、現地情報には実に詳しくて、ふらっと行った旅行者にはとても入り込めないようなディープな屋台までレポートしてあって、面白い。
 
屋台で出されるゲテモノぎりぎりの、なかなか手を出せそうにないような臓物類も、食べてみれば絶品だったりするようだ。見た目だけではわからない美味の世界が広がっている。
 
一番食べたくなったのは、牡蠣オムレツ。屋台でサササッと焼いてもらえる単なるオムレツだが、どうにも美味そうでならない。胡椒のきいた胡椒餅や、朝のお粥なんかも憧れる。でも、できれば詳しい人の案内付きで行ったほうが無駄なく行動できそうだ、台湾って。ていうか、どこでもそうなんだろうけれど。
 
一品100円、1食500円で大満足、と副題にもある通り、格安でおいしい旅ができそうだ。いつか行ってやる、台湾。と拳を固める私であった。

2015/9/22