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「三人桃太郎 中村勘九郎一家奮戦記」 波野好江 扶桑社
1993年に出された本。もう、涙が出るわ。故・勘三郎がまだ若々しい勘九郎で、勘九郎が勘太郎で(ああ、ややこしい)七之助がまだちっちゃくてやんちゃで。
桃太郎で舞台デビューしたこの三人を、好江さんがそりゃもう愛情込めて、大事に大事にフォローしてるその姿。今となっては、泣かずに読めますか!!
小さいころの勘太郎はおっとりして怖がりで、七之助はちゃかちゃかしてワガママで。でもその反面、勘太郎は舞台度胸は抜群で、七之助は繊細で震えていて、でありながらそのオーラは素晴らしく美しく。思い出すわ・・・そういう子たちだったっけ。
二十年経って、こんな思い出この本を読むことになるなんて。勘太郎は勘九郎となり、ますますお父さんに似てきて、七之助は怪しいまでの女形の美しさを見せるようになっていて。
好江さん、頑張ってね。まだ、小さいお孫さんたちがあなたを必要としているんだから。勘三郎さんの分も、彼らを守ってあげてね。
と思わずにはいられない本でありました。
2013/12/16