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「呵呵大将 我が友、三島由紀夫」竹邑類 新潮社
作者は演出家、振付師。この本を出したあと、先ごろお亡くなりになったらしい。
若いころに、いわゆるフーテンたちと交流しながら、三島由紀夫とも遊んでいた思い出話が描かれている。
書評で、思いがけない三島の素顔が見られる、みたいなことが確か書いてあったので興味をもったのだけれど、それほど深い内容ではなかった。
紙皿に盛り上げたハイミナール(クスリ)でラリって馬鹿げたことでゲラゲラ笑ったり、裸で踊ったこと、高級中華料理店で大騒ぎを繰り広げたこと、三島のボディビルで鍛えた身体に特注のバックスキンのポロシャツがカッコ良かったこと・・・・。楯の会の制服がかっこいいだろうと三島がゴキゲンで自慢に来て、それから程なく死んでしまったところで物語は終わる。
三島由紀夫のことは、「股間若衆」や「ヒタメン」でも色々なエピソードを知ったが、まるで「藪の中」みたいだと思う。三島の作品をちゃんと読みもしないで、こうやって外側から面白がっている私も馬鹿だなあとは思うけれど。
2014/2/27