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「戯れ言の自由」平田俊子 思潮社
夫が借りてきた詩集。どうだったか尋ねると、伊藤比呂美についての詩が面白いよ、というので「伊藤」という詩を読んだ。そこに描かれていた伊藤比呂美は、まさしく伊藤比呂美そのもので、そうか、ポスト寂聴を狙っているのか、頑張れよ、と笑ってしまった。
それで勢いがついて、全部読んだのだが、面白かった。詩を読んで面白いのは谷川俊太郎以来かも。言葉遊びというかダジャレというか、よくぞここまで真面目くさって書いたな、と思う詩が、読んでいて心地よかった。宮沢賢治と高村光太郎と草野心平の大事な人が亡くなった時のことが並べて描かれていて、私がぼんやりと光太郎に関して思っていたことが、ちゃんと言葉にされていると思った。
詩は自由だ。詩は楽しい。詩は心地よい。
言葉で遊ぶ、言葉で歌う、言葉で描く。
いい詩に出会えてよかった。もう少し詩を読んでみようかと思った。
2017/12/14