探しものは北欧で

探しものは北欧で

33 森百合子 だいわ文庫

トランジットのために一泊したヘルシンキから、コペンハーゲンに移動したあたりまでに読んだのがこの本。北欧で北欧本を読む。

私は子どものころから北欧が大好き。というのも「長くつ下のピッピ」は私の子ども時代の大事な友達だったし、わがまま放題のロッタちゃんは私の憧れだった。そして、少し大きくなると、ムーミンシリーズも好きだった。「からすだんなのおよめとり」という北欧民話を集めた本も繰り返し読んで、目玉をブルーベリーの実と交換しちゃったら、世の中がぜんぶ青く見えたという鳥の話なんか大好きだった。もちろんアンデルセンも読んだしね。若いころ、初めて海外に出たのも北欧だった。

この本も、北欧大好きな人の北欧紹介本。そうだよね、そうだよね、という情報が詰まっている。北欧はビールが美味しい。という事実はあんまり知られてない。私も、それまで苦いだけだと思っていたビールを大好きになったのはコペンハーゲンだった。この本にも「おいしいビールを追いかけて」という項目があって、うれしい。北欧は実は珈琲もおいしくて、世界的に有名なバリスタは北欧の人が多い。シナモンロールもおいしいけど、お腹にたまりすぎるのでご飯に差し支えちゃって、なかなか食べる機会が見つからない、という話にも頷く。そう、ボリュームがありすぎて、一食分になっちゃうので、なかなか気軽に食べられない、シナモンロール。大柄な北欧の人たちは、おやつにぱくっといっちゃうだろうけどさ。

「ノルウェー人、いい人伝説」という項目もあって、そうなのそうなの。ノルウェーの人って、ほんとに親切。そして、なんだかいつも幸せそう。自分の生活を大切にしていて、充足している人たちだと感じる。私が好きだったビグドイ地区もたっぷり紹介されていて、良い良い。

北欧が好きな人、一度行ってみたい人にお勧めの本。読んだら、行きたくなっちゃうよ!