旧金毘羅大芝居

金刀比羅宮を降りて、次は、金丸座へ行きました。
国指定重要文化財、旧金毘羅大芝居。1835年に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋です。

毎年、春に、ここで歌舞伎が開催されます。
先代の勘三郎が、「そんな田舎の芝居小屋でやりたかねえや」とすねていたのに、実際に舞台に立ったら、感激のあまり、泣き伏したと、当時の勘九郎さんが語っていらしたのを覚えています。

芝居をやっていないときは、入場料を取って、芝居小屋を一般公開しています。解説員がいらして、丁寧に案内、説明してくださり、隅々まで見せてくれました。

花道から、中に入らせてくれるんですよ!シャン!と音がして、幕を開けて、中に入る。それだけで、わくわくします。
座席は枡席で、一桝に五人、少し傾斜がついていて、見やすい工夫がされています。花道と、客席の距離の近いこと、息がかかりそうだわ。こんなところで、実際に観たら、どんなに楽しかろうと想像して、ドキドキしちゃいます。

下からせり上がる「すっぽん」や宙乗りのための「かけ筋」などの仕掛けも、昔のままで、人力で動かすんだそうです。回り舞台も、せりも、全部、そう。早変わりに使う空井戸もあります。天井は、竹を編んだブドウ棚で上から、花吹雪や雪を散らすんですって!舞台だけじゃなくて、客席にも、降るんです。素敵!!

舞台裏の楽屋を回って(実際に使っているんですよ!)、奥の五右衛門風呂(これは使ってない)も見て、そこから、奈落へ回ります。せりや回り舞台をあげたり回したりする芯棒が張出していて、そして、この狭い廊下を、役者さんたちが、早変わりで走りまわるのね・・その場所を、歩けるんです!

それから、上の天井桟敷、皇太子ご夫妻がおすわりになった貴賓室にも入って、身を乗り出して、舞台を見ました。上には明かり窓があって、人力で、開けたり閉めたりして、照明の調節をするんです。

それから、ビデオを観たら、四谷怪談をやっているところが映っていて、地元の青年団が、明かり窓を、合図で次々に閉めて、真っ暗になったところを、勘三郎さんが、こわーい顔で、後ろから観客に近づき、うわわーっと脅かしたり。楽しいわあ!早変わりで、奈落の階段を半分コケながら、駆け下りてるところも映っていました。

ああ、ここで、演じられる歌舞伎を実際に見ることができたら!
でも、プラチナチケットで、なかなか手に入らないんですよね。
まずは、金比羅に移住して、地元枠を手に入れようか・・と、半分真顔で、夫が企んでいました。

2010/7/14