青森旅行記5 三日目(その1)

青森旅行記5 三日目(その1)

2021年7月24日

昨夜早く寝たので、早朝に目覚めました。この宿には二種類のお風呂があるので、昨夜とは違うお風呂に入りに行きます。昨日のお風呂よりはやや透明度のある、でもちょっと濁った感じの泉質。とっぷり浸かって、いい気分。またまたリンゴ酢をいただいて喉を潤します。

朝食は七時半からです。まだまだ時間があるので、ちょっと散歩に行こうか、ということになりました。嶽温泉は岩木山の麓にあります。あたりは緑が濃くて、歩くと気持ちが良さそう。

外に出るとシーンと静か。と思ったら、どこかの子どもがお母さんに朝から叱られている声が聞こえます。おお、生活感。でも、空気は澄み渡って、人も車も通らない。

暫く歩くときれいな池があります。水面に木々が映って美しい。振り返ると岩木山が見えます。青森県民が熱愛するこの山は、本当に美しい。

水芭蕉の群生地があるというのでそこを目指します。でも、時期が終わってしまっているので咲いていないのね。花の季節に来たらどんなにきれいなことでしょう。

しばらく歩いて冷たくて気持ちのいい空気を堪能し、宿に戻りました。朝ごはんには山菜粥が出ました。素朴な美味しいご飯でした。

ホテルなどでドアに掛ける「Don`t disuturb」の札の代わりにこんな札が部屋にありました。こういうの、いいなあ。

準備をして、チェックアウト。宿の人が弘前市内まで車で送ってくれます。途中、話題はやっぱり青森の誇り、岩木山になります。

岩木山は全体が御神体になっていて山頂に通じる道には鳥居が立っています。その鳥居の前を通りながら教えてもらいました。宿の方は、やっぱり嶽温泉から見る岩木山が一番きれいだといいます。最近、弘前城を曳屋して場所を動かした結果、弘前城天守と岩木山が写真で同じ構図の中に収まるようになったそうです。それで、観光パンフレットなどには弘前城と岩木山を込みで撮るのが定番になっているそうですが、やっぱり生まれ育った場所から見る岩木山のほうがずっと美しい、と。

金木の方から見る岩木山は十二単の女性のようだと言われますが・・・と聞くと、「いやあ、金木からじゃ遠くて、あれでは山とも思えねえ。吉さん(吉幾三のこと)あたりは『おらほの山だ』なんて言いたがるけど、あれは山じゃねえ。やっぱこっちから見た山が一番だ。」とのこと。いいなあ、こういう偏愛発言、ぐっと来ちゃいます。

濃くていい温泉ですね、と夫が言うと、源泉はもっと濃いんだ、とおっしゃる。マスを三つばかし重ねて上澄みを取っているそうで、源泉のまんまだと濃すぎるんだとか。昔は温泉を通す管が成分で詰まってしまって爆発するなんてことがあったそうです。それで、管にゴルフボールを通すとか、今は縄を流して引っ張って中が詰まらないようにしているとか。

昔は湯治客が多かったそうです。食料も自分で持ってきて自炊して、一日に五回も六回もお湯に入りながら長逗留してくれたので、宿は場所を貸すだけで、なーんにもしないで済んだんですって。でも、今の人は同じ場所に何泊もしてくれない。ビデオやゲームなんかをたくさん用意してみたけれど、やっぱり駄目だなあ、とのこと。

冬は雪に振り込められて、なんにも見えない、ただぼーっとしてる時間が長い、とも言われました。雪が壁のようになってしまうので、車を運転していると、真っ白でその壁にぶつかることがあるそうです。

この方、「奇跡のリンゴ」の木村さんと同級生だそうです。「すっかり有名になったけど、苦労したみたいだなあ。今じゃ中国の方に農業指導に行ったりしてるらしい。あっちは農薬大国で土地がだめになってっから。」とのこと。木村さん、前歯がないのに入れないのは、「やっぱほら、イメージがあっから。」だそうです。

地元のお話をいろいろ聞かせてもらっているうちに、弘前市内につきました。観光案内所の前でおろしてもらいます。良い宿でした。「山のホテル」さん、ありがとうございました。

観光案内所で「弘前まるごと観光クーポン」を購入します。弘前公園、藤田記念庭園、津軽ねぶた村などの入場券に900円分のクーポンが付いて1500円はお得。早速そのクーポンで電動自転車を借ります。さあ、弘前市内の観光、開始です。

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2017/6/2