ハワイ旅行記4

四日目、火曜日。

初日にコンシェルジュで紹介されたのが、ホテル敷地内の、とあるコンドミニアム。新築で、みなさんに見ていただいているんですよ、そのツアーに参加されるだけで、ルアウショーというビュッフェ付きのポリネシアンダンスショーに無料ご招待なんですが、いかがでしょう、と極上の笑顔で勧誘されました。

ははーん、これはマンション買ってってことね、と尋ねたのだけど、「ご紹介したい、それだけです。」ですって。うちは夫が建築オタクだし、モデルルームやオープンハウスもよく見学に行きます。買う気は全くないけど、海外の不動産を見る良い機会だし、ルアウショーも、そもそもお金払って見てもいいと思ってたから、ご招待ならありがたい、と申し込みました。

というわけで、早めに起きて、海辺のレストランでまずは朝食。ベーグルに、野菜の入った卵のココット、サラダにコーヒーだったかな。おちびはパンケーキ、夫はオムレツにトースト、ベイクドポテト。それにしても、例によって、量が多すぎです。おいしいけど、飽きるう。

それから、とあるコンドミニアムへ。じゅんこさんという係員が案内してくれます。高層階のお部屋は、海の眺めが素晴らしく美しく、室内も広々して家具もピカピカ、洗濯機にキッチンも最新式。ガラス張りのシャワー室に綺麗なバスルーム。3LDKのあとに2LDKを見せられて、これは順番逆の方が良かったんじゃないの?とちょっと思います。広いお部屋を見たあとは、狭いお部屋がちと悲しいから。

案内しながらのマシンガンセールストークに、つい笑っちゃいます。「素晴らしいでしょう?」「人生が何十倍にも楽しめますわね」「お嬢様のこれからの資産にもなりますし」「何度でもいらっしゃりたいでしょう、ハワイには」「ホテルは割高ですわ」・・・・。
「ゴルフはなさいます?」の質問に、「いえ、まったく。」と答えたら、間髪入れず、「そう、なさらなくっても、全然大丈夫ですよ。ゴルフ場の景色だけでも、綺麗で心が洗われますもの」ですって。

それから、椅子を勧められて、コンドミニアムのタイムシェア購入を勧められます。不動産資産としての価値とか、ハワイに飽きたら、ホテルグループのすべてのホテルにポイント制で代替が効くとか、まあ、そんなことですね。払う額によって、泊まれる日数は変わるんですけど、年間二週間として、お客様、この素晴らしい価値を、おいくらくらいなら、ご購入されたいと思われます?

70万円くらいかな、と答えたら「だったらいいんですけどねえ!」ですって。で、いくらだったかなあ、何百万から始まって、隔年利用ならこの額、日数を減らしたらこの額、なんてプッシュが始まりましたけど、まあ、買う気はなくて。だけど、知りたい気持ちはとってもあるんで、固定資産税はどうなるの?とか、印鑑証明はアメリカじゃ無いのよね?とか、質問だけはしちゃいました。

買わないとしたら、それはなぜです?と聞かれるんですよ。うん、これって、セールスの技術です。買わない理由を言わせては、一つ一つそれを論破していって、買わざるをえないところまで持っていく。このやり方、実は知ってます。
でもね。こんな大きな金額の買い物を、ちょっと見せられて即決するなんて、ちゃんと考えたらありえないでしょ?もし買うとしても、一度帰って、じっくり検討して、それからでしょう。

「いえいえ、お客様、帰国されたら、もう絶対もどってこられません。みんな、夢が覚めちゃうんですよね。」

ここんとこ、じゅんこさん、とても正直でした。笑っちゃいました。そりゃそうでしょう。ここでつい夢を見てサインしちゃう人っているでしょうね。でも、うちは買わないのよ。ってのが、ちゃんと見て取れたのか、さっさとエレベーターに誘導されて、あっさりと開放されました。面白い経験でした。

三日目は長いので、まだまだ続きます。

2010/9/8