青森旅行記7 三日目(その3)

青森旅行記7 三日目(その3)

2021年7月24日

藤田記念庭園を出て、次は弘前城公園です。お城の本丸は有料ゾーンですが、観光案内所で買ったチケットが使えます。自転車をどうしたら良いか聞いたら、中で走らなければ、持って入ってもいいとのこと。引きずって門をくぐります。

弘前城は修復工事中です。平成27年に天守を曳屋して動かしたため、岩木山と天守が同じ写真のフレームにおさまるようになりました。遠く雪をかぶっているのが岩木山。

石垣は修理中です。クレーンで石を吊り上げて動かします。石の一つ一つにナンバーが打ってあって、形や大きさを確かめながら移動しています。

ずっと見ていても飽きないくらいだけれど、そうも行かないので先に行きましょう。本丸内を見学してから、お堀端を歩き、橋を渡ります。周囲は桜の木がいっぱい。弘前城の桜は日本一だと二日目のタクシーの運転手さんが誇らしげに言っていました。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というけれど、弘前の桜はリンゴ栽培の技術を活かして枝を切るそうです。そのお陰で桜の枝は横に広く広がり、上を見上げなくても鑑賞できる美しい桜並木ができたそうです。これは、桜の季節にも来てみたい。

お腹が空いたので、お昼にしましょう。本当は「奇跡のリンゴ」が食べられるレストランに行きたかったのだけど、そこは定休日ですって。弘前は何故かフレンチの街でもあるそうで、たくさんのフレンチレストランがあります。明治時代の宣教師が英語の教師として大勢来られたそうですから、その名残なのかもしれません。

さて、我々は「ポルトブラン」というお店を選んだのですが、これが大正解。オードブルにスープ、パン、味しいお魚料理(夫は肉料理)、デザートにコーヒーが付いて1600円はなんとリーズナブルな。地の野菜はしゃっきりしているし、お魚は新鮮だし、スープは冷たいりんごのスープ。ほんのり甘い上品な味でした。

そこから今度は津軽ねぷた村に行きます。ここも観光案内所のチケットで入れます。受付に行ったら、もうすぐ津軽三味線の演奏が始まるので順路通りに行くと間に合わないから、とわざわざ演奏会場に案内してくれます。

津軽三味線を聞くのはこの旅行で三回目、それも同じ曲目もあるのですが、人によって全然趣が違って面白い。幾つもの系譜がそれぞれに伝えてきた演奏の個性が耳に心地よく響きます。

そこから今度は順路を逆に戻って、ねぷたを見学します。ここは五所川原とはまた違って、横に張り出した弘前ねぶたです。

弘前は城下町です。お殿様にお見せするねぷたでもあるので、あまり大騒ぎはしない、上品なお祭りなんだとか。ちなみに、青森市や下北は「ねぶ(b)た」と呼び、弘前や五所川原は「ねぷ(p)た」と呼びます。もともと農作業の途中に眠くならないように行われたお祭りなので、弘前の方では眠たいことを「ねんぷ(p)てえ」、青森市の方では「ねぶ(b)てえ」と言うから、それで違うのだ、とか。諸説あるみたいですけどね。

ねぶたのお囃子の太鼓が置いてあって、バチを持たせてもらいました。係の人が教えてくれて、お囃子に合わせて叩かせてくれて、すごく楽しい!!

ねぶた村を出て、明治時代に建てられた洋館をめぐります。これは、旧弘前市立図書館。

こちらは青森銀行記念館。中に入って見学もできます。

このあと、いくつか古い教会の建物を見学しながら弘前駅まで出て、駅前の観光案内所に自転車を返し、バスに乗って空港へ。そして、無事帰宅しました。

楽しい旅でした。青森があんなに美しく、歴史と文化に富んだ街だとは知りませんでした。やっぱり、なんでも現地に行かなくちゃわからないことってあるんですね。

青森の人たちの郷土愛にも胸打たれました。皆、自分の生まれ育った場所に誇りと愛情を持っているのがよくわかりました。転勤人生で、ひとところにじっとしない私にはない宝物を持っている人が羨ましく思えました。

皆さん、本当に親切にしてくださってありがとうございました。誰もが一生懸命説明してくださって、暖かくもてなしてくださって。青森が大好きになりました。また、いつか行きたいものです。

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2017/6/2