虫と仲良し(熊田千佳慕)

虫と仲良し(熊田千佳慕)

2021年7月24日

伊丹市立美術館でやっている熊田千佳慕展へ、お友達に誘われて行ってきました。

伊丹へ向かう途中の出来事です。
発車前の電車で、ドアに一番近い座席に座ったら、蜂がブーンと飛んできて、私にまとわりつくのです。
怖いので、ちょっと席を移動したら、しばらくして、また、ブーンとやってきます。
慌てて、車両を移っても、また来る。
逃げ回っているうちに、ドアが閉まり、電車が動き出し、そして、蜂はもう来ませんでした。
あれは、何だったんだろう。
私が、花のように芳しかったのかしら。うっふっふ、

伊丹は、ショッピングモールにしか行ったことがありませんでした。いつもと反対側に降りると、なんとまあ、城跡があるんですね!そ、それは知らなかった。
道も、歩道が広く取られて、城下町のような風情のある街並みです。
そして、美術館も、四角い建物じゃなくて、白壁作りで和風の屋根のついた、風情あるたたずまい。感動しました。

熊田千佳慕さんは、ファーブル昆虫記など、虫や花の絵をたくさん描かれた方です。
絵は、本当に細かくて細かくて、こんなの描いたら、イーってなるわ、って思います。私が描けっこないけど。
蜂や、蝶の、細い細い体毛を、触ったら、絶対ふさふさするわ、って確信するくらい、リアルに描いています。
そして、どんな虫にも、愛情が込められているのがわかります。

たぶん、自分が虫になっちゃって、虫の目で描いているから、こんなにきれいなのね、と、お友達が言っていました。
確かに、虫も花も、明るく綺麗すぎて、ほんとうではないみたいです。
写真みたいに写実的に描かれているけれど、本物を超えて、あまりにも美しく、大きいのです。
これはもう、虫です。
すごいなあ。この人、描いてるうちに、触覚が生えちゃったんじゃなかろうか。
虫は無表情なものなのに、この人の描く虫には、表情がありました。

アラメジガバチという蜂が、胸が大きくて、ウエストがキュッと閉まっていて、手足が長くて、凄いナイスバディで、惚れちゃいました。
あまりにもカッコいいので、ネットで検索したら、あらら、ちゃんとこの虫のフィギュアを作っている人がいて、売ってるのね。
笑っちゃいます。

千佳慕さんがこういう絵を描き始めたのは、60歳を過ぎてかららしいです。70歳でボローニャの国際絵本展で認められ、それから、沢山の沢山の細密画を残して、99歳でお亡くなりになりました。
そんな話を知ると、まあ、これからなんだってできる気がするわ、と、いい年をしたオバチャンたちも、希望に胸が膨らみます。

希望に燃えたおばちゃんたちは、行きがけに発見した美味しそうなお豆腐料理屋さんに、勇んで突進しましたが、満員で、あえなく陥落いたしました。
そのかわり、酒蔵のような洒落たブルワリーレストランに入って、ゆっくりランチ致しました。
エビチリのオムレツ、美味しゅうございました。

2010/5/25