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「星野源雑談集１」マガジンハウス
NHKのコント番組「LIFE」で星野源を知り、「蘇る変態」、「そして生活は続く」、「地平線の相談」と読みついできた。
「逃げるは恥だが役に立つ」のようなフェミなドラマがブームになるとは隔世の感があることよのう、とおばちゃんは感嘆する。NHKの「新春テレビ放談」でも取り上げられていた。テリー伊藤だったかが、「主演男優に一ミリでもセックスの臭いがすると、あのドラマは成立しない。あれは星野源ありきのドラマだ。」と言っていた。いやいや、テリー、これを読めよ、と思う私である。
というのも、他の人との会話でも散見できるが、とりわけケンドーコバヤシとの会話を読むと星野源のシモネタ全開でセクシャルな人となりは明らかである。そもそもかれは「変態」と自負している人でもあるし、世間に流布されている童貞キャラは、彼自身としては釈然としない所があるようだ。まあ、そうは言っても「箱入り息子の恋」や「逃げ恥」の役は、彼だからこそあそこまでの完成度があったとしか言いようがない。そこが彼の凄さかもしれない。
この本は各界のなかなかコアな人たちとの「雑談」が収められている。対談じゃなくて雑談なのである。はっきりしたテーマもなく、源ちゃんの個人的な興味で話は飛び飛びになるが、そこから彼の人となりが浮き彫りになってもいる。彼は、彼自身の物差しによって対象物を選び、深く深く掘り下げるフェチな人だということが伝わってくる。何をやっている人かも私自身は知らないような人とも雑談しているが、私もだんだんその人を知りたくなり、好きになってくる。
星野源は今を楽しんで豊かに生きる、刹那の人である、と私は思う。
2017/1/8