最果てアーケード

最果てアーケード

2021年7月24日

55

「最果てアーケード」小川洋子 講談社

 

小川洋子の書く物語は、いつだって不思議で切ない。
登場人物は、みんな自分の人生を一心に生きている。
どこかを目指して、脇見をしないで、まっすぐ静かに進み続けるみたいな人ばかり出てくる。
 
その静かな歩みの果てには何があるのか。
この物語も、ひとつの終わりに向かっていく。
 
そうだったのか。
そんなふうに終わるのか。
 
なんでもないひとりひとりの人、それぞれに、それぞれの人生があるということを、小川洋子は思い出させてくれる。

2014/7/22